エヌビディア、好調も火花は散らず

アジア市場の一日を展望する。

水曜日の米国引け後、 エヌビディアの待望の決算発表 （ (link) ）が世界市場に新たな活力をもたらすと 期待した投資家は 失望し、木曜日のアジア市場は生温い幕開けとなる見通しだ 。

ウォール街 (link) は、終盤に上昇に転じるまで、水曜日は終日しっかりと赤字で過ごし、債券利回りとドル (link) は上昇した。弱い20年物米国債入札は、ワシントンの財政赤字の深さと、その資金を賄うための投資家の負担を思い起こさせた。

世界情勢も特に安心できるものではなかった。 欧州株式 (link) は4日続落し、過去2ヵ月で最悪の下げ幅を記録した。中国の人民元はスポット市場で3ヵ月半ぶりの安値をつけ、ボラティリティは上昇した。

そしてエヌビディアが登場した。世界で最も価値ある企業であるエヌビディアは、第3四半期の一株当たり利益が予想を上回り、第4四半期の売上高も予想をわずかに上回ると予想した。しかし、株価は時間外取引ですぐに5％も下落し、その後持ち直した。日経平均とウォール街の先物は、木曜日の日米の取引開始時間を下げる ことを示唆している。

AIの寵児は輝きを失いつつあるのか？

木曜日のアジア経済カレンダーは比較的軽めで、韓国の輸出、インドネシアの経常収支、香港のインフレ・データが主な発表となる。

香港の年間インフレ率は9月の2.2％から10月は1.7％に鈍化すると見られている。

パリで開催される金融フォーラムで講演を予定している日銀の植田和男総裁（(link)）からは、さらなる発言があるかもしれない。投資家とトレーダーは、12月利上げへの扉を開いたまま、早すぎる利上げに注意を促した今週初めのかなりバランスの取れた発言と、上田総裁のトーンやシグナルが異なるかどうかを見極めようとするだろう。

最近の円相場の動きから判断すると、日銀が何をすると市場が考えていようと、FRBの見通しをめぐる新たなタカ派的な動きに完全に圧倒されている。

過去8回の取引セッションのうち円高になったのは1回だけで、1ドル＝155.00円を割り込んでいる。持続的な回復を図り、9月の1ドル＝140円台を再び視野に入れるには、上田総裁による際立ってタカ派的なシグナルが必要かもしれない。

しかし今現在、日本のスワップ市場は、来年末までに日銀の引き締めが50bps以下（(link)）になると予想している。

一方、ビットコイン（(link)）は、ドナルド・トランプ大統領の政権が暗号に優しい政権になるという確信の高まりに後押しされ、歴史的な10万ドル突破に近づいている。

以下は、木曜日の市場に方向性を与える可能性のある主な動きである：

- 植田和男日銀総裁がパリで講演

- 香港インフレ(10月)

- 韓国輸出(10月)