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【コラム】前回のFRBテーパリングで市場はどう反応したのかを振り返る(米国10年債利回り/ドル円/S&P500/ゴールド)
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【コラム】前回のFRBテーパリングで市場はどう反応したのかを振り返る(米国10年債利回り/ドル円/S&P500/ゴールド)
由FX365_Thailand提供
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2021年5月28日
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2021年5月28日
FRBのテーパリング早期化懸念が市場を不安定にする日々が続いています。
実際にFRBがテーパリングの議論を開始したり、テーパリングそのものを開始したらどういう動きが想定されるのかが気になったので、前回リーマンショックからの金融緩和を経たテーパリング時のチャートの動きを振り返ってみました。
過去にどのような反応があったのかを知れば、今後行われるテーパリング時のマーケットの動きに対応する準備とすることができるでしょう。
この投稿では米国10年債利回り、ドル円、株価(S&P500)、ゴールドの4つに絞って取り上げます。
まずは米国10年物国債の利回りからです。
【米国10年物国債の利回り】
過去20年間の月足チャートに主要出来事をプロットしたチャートです。
今回着目するのはリーマンショックからバーナンキショックまでのあたりです。
リーマンショックによる世界的金融危機を受けてFRBは利下げを敢行。
以降2012年年末まで利回りが低下していることが確認できると思います。
ところが、2013年5月、当時のFRBバーナンキ議長が予期せぬタイミングでテーパリング実施を示唆。
バーナンキショックと呼ばれるこの発言を受けて、利回りは急上昇し一時3.0をつけるまでになりました。
しかし、実際にテーパリングが始まると利回りは緩やかに下り始め、2014年末には2%台前半にまで下がる動きとなりました。
バーナンキ議長の発言を受けて一時的に市場は動揺したものの、結果的にテーパリング開始を織り込む形になったと見られているようです。
近い将来FRBが再びテーパリングを行う場合、事前に市場とコミュニケーションを十分に行えるかどうかがポイントと言えるでしょう。
【ドル円】
ドル円の月足に米10年国債利回りのチャートを重ねています(オレンジのライン)。
ドル円はバーナンキショックの直後から2015年6月にかけて125.90円まで急上昇。
利回りとの相関を見ると、利回りが3.0に上昇する過程ではドル円も連れ高で上昇しています。
一方、FRBが実際にテーパリングを開始してしばらくの間はドル円は横ばいで推移するも、後半から再び急上昇する形となっています。この背景には2014年10月に日銀が追加緩和実施を決定したという事実があり、これを受けてのドル高・円安で急上昇となったと見られています。
【S&P500】
米国株の3大指標の一つS&P500の動きを週足で見てみます。
バーナンキ発言のあった2013年5月22日を境に一時的に下落はしているものの、同年7月には直近高値を更新する形となり、以降2013年末まで上昇を続けます。
テーパリング開始後も暴落というような大きな下落はなく、途中途中で調整の下落は挟むものの、2015年7月まで上昇が継続する形となっています。
こちらも利回りと同様にテーパリングが織り込み済みとなって上昇していったと捉える向きが強いようです。
【ゴールド】
最後は最近力強い上昇を続けているゴールドの動きを月足で見てみます。
リーマンショック直後こそは下落したゴールドですが、その後FRBが打ち出した金融緩和によりゴールドは急上昇。2011年9月には当時の最高値である1900ドルを超えるところまで上昇しました。
その後も高値圏での推移を続けますが、転機となったのがやはり2013年5月のバーナンキショック。
金融緩和の終わりが告げられるとともに、ゴールドは急落。2015年12月に約1000ドルで底を打つまで下落を続けました(安値(c))。
その後は高値と安値を徐々に切り上げながら、現在まで続く新たな上昇トレンドのサイクルにあります。
リーマンショックによる、
景気後退=>景気回復のためにFRBが米ドルを大量供給=>ドルが市場に溢れ世界的なドル安に=>ドルの価値低下で世界共通の価値保存手段としての側面を持つ金に注目が集まる=>金の価格が高騰=>景気が落ち着いたのでドルばら撒き作戦終了=>金の価格が下落(元の適正価格へ戻る)
というサイクルは、コロナショック以降の動きと同じと言って過言ではないでしょう。
この動きを見ると、FRBの将来のテーパリングの議論開始や実施時期の前倒しがオフィシャルになれば、直近のゴールドの上昇トレンドにとって大きく立ちはだかる壁となり得るということが推測できます。
さて、いかがでしたでしょうか。
今回は米国10年債利回り/ドル円/株価(S&P500)/ゴールドの4つを取り上げてみましたが、みなさんが普段投資している金融商品のチャートではまた違った動きが見て取れるかもしれません。
歴史は繰り返すとも言いますし、過去の動きを学ぶことで未来への備えにもなるのではないでしょうか。
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